【高村先生】第一章比喩表現解説(4.編)
※「比喩=対象を別のものに例えて表すこと」だと理解して使用しています。厳密には比喩ではない表現もあるかもしれませんがご了承ください。
① 比喩表現解説[4.藍色の記憶編]
1. その違和感を抱えたまま一日が終わり、ブレーキをかけながら濡れた坂道を駆け下りる。ふと見上げた向こうの空は、中央の鉄塔を境に左右で色が分かれていた。左の空は泣き出しそうな群青色に染まっていて、右の空は慈愛に満ちた薄紫色で覆われている。再びペダルを踏むと同時に視界は彩りを失って、身体はモノクロの街の一部へと溶け込んだ。
└高校は高台にあって、そこから自宅に戻る際に開けた坂道を下ってゆく途中の描写です。坂の上からは空がよく見えたけど、下り切ると街の中に入ってしまって見えなくなる、そんな様子を表したくてこう書きました。実際は家やお店があるので暗くないはずですが、武良波の心情を踏まえて「モノクロの街」にしました。
2. 俺はチャリを飛ばしながら、先生に教わった虹色の覚え方を口ずさむ。セキトウオウリョクセイランシ……歌うようにリズムを刻み、ペダルを強く踏み込んでから下り道へと飛び込んだ。シャツが大きく膨らんで、汗ばんだ身体が一瞬ぶるっと振動する。なのになぜか頬は熱く火照っていて、それがとっても心地よくて……。
└比喩ではないですが、いかに直接的な表現を避けて武良波の胸キュン具合を表すか頭を悩ませた結果です。ブロマンスの美しさって、BLのそれとはまた違う、もっともっとふんわりとした表現だと思っています。それこそ視線の絡み方とか、並んだ時の数センチとか。これらのひとつひとつから、男子高校生のプレ恋心が伝わると嬉しいです!
② サブタイトルの色解説
“藍色(あいいろ)は、色のひとつ。植物である藍に由来する色素を由緒とする色である。インディゴ(インジゴ、英: indigo)も同様。日本を代表する色として、藍色を「ジャパンブルー」と呼ぶことがある。(Wikipediaより)”
そもそも藍色をテーマカラーにしたのは、職場のラジオから流れてきたスキマスイッチさんの『藍~僕たちの色彩~』を聞いて、「あ~!いい曲だ~!この静かで優しい世界観好きだ~;;」と(既存曲のリアレンジ版なので元々存じてはいましたが、改めて)感動したので、大名曲にあやからせていただきました。そこから「そういえば、虹=七色なのって日本の常識だったはずだよなぁ」なんて思い出して、武良波と高村先生の出会いに虹を絡ませてみた次第です。(※厳密に言えば日本だけではないですが便宜上そうしています)
さらに藍色の印象をより強くするために、高村先生の瞳の色設定にしてみましたが、それは果たして日本人と呼べるのか……? いや、主要3人みんな目の色カラフルなので今さらです。このお話はフィクションなのです。
(貼ってみたけどよく見えないな)
比喩表現解説は、本編の公開に合わせて更新してゆきます。ではまた次回ノシ
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